素材人生

オタク気質を拗らせ夢小説作家へ。そのステータスを武器に就活をした私がぶつぶつ言います。

THE BOYZ名刺お渡し会のすべて(レポ)

去る7月某日、THE BOYZ の接触イベント(広義)に参加してきた。

 

知らない方もいるかもしれないが、THE BOYZ(通称ドボイズ、ドボ)というのは2017年デビューの11人組韓国アイドルグループだ。全員センター級イケメンという圧倒的なビジュアルを武器に活動していて、ここ2年ほどは音楽番組1位の常連になるくらい勢いがある。(気になる方は是非調べて欲しい)

 

私はもう8年ほどKPOPのオタクをしているが、接触イベントには一度しか参加したことがない。

それも高校2年生、17歳の頃に母に連れられて参加した2PM(元祖野獣アイドル)のハイタッチ会のみだ。

2PMは自分の推しということでは無かった(当時私はBTSが好きだったため)が、それでも2PMのメンバーの大きい手や表情を今でも鮮明に思い出せるくらい、衝撃的な体験だった。

 

そんな私がだ。ついに推しと名刺交換をする権利を手に入れ、満を辞して会いに行ってきた。

 

一言で言うとヤバすぎた。

パンドラの箱を開けてしまった………………

 

以下体験記としてお楽しみいただければと思う。

 

私が当たったのはメンバー全員名刺お渡し会(という名のトレカお渡し会)。

イベントには、CDを積めば積むほど応募することができる。社会人2年目の私は惜しみなく課金した。彼氏もいなければ友達も少ない、使うところといったらここしかないのである。

それでも当たったのは1枠のみ。世間のオタクヨロブンはどれだけ財力があるんだ???と弊社の給料の少なさに泣けてくる。がんばれ弊社。私の給料口座に5億振り込んでくれ。さもなくば転職するぞ。

 

私の参加する枠は最終の枠で夕方スタートだったので、遅めに起きて念入りに準備をした。

この日のために購入したワンピースを見に纏い、まぶたにはラメをたくさん付けた。推しに少しでもいい匂いの女が来たと思って欲しいので、香水も多めに振りまいていった。

こんなにちゃんと準備したのはいつぶりだろうか。最近会った男といえばマッチングアプリのよくわからない男しかいないので、推しと比較する数値として全く参考にならない。

 

会場が自宅から1時間半ほどかかる場所だったので何かあったらいけないと早めに家を出た。

会場に着いたのは1時間半前。早すぎた。

 

列に並んだのは1時間前。

ソワソワした気持ちを抑えられず、挙動不審になる私。並んでいる間もずっと貧乏ゆすりをしたり、床の一点を見つめたりとにかく忙しい。早く時間すぎてくれ、でもすぎてしまったら会わなきゃいけない…!!!!推しに会いたい気持ちと会いたくない気持ちとで頭がおかしくなる私。1人での参戦だったので、周りのオタクから見たらさぞかし怪しい存在だっただろう。

 

「メンバー全員名刺お渡し会の方ご案内しまーす」

という運営のアナウンスと同時に列が動き始める。やばい。本人確認が終わったら推しと対面してしまう。やめて!!!!!列よ動かないで!!!!(動いて!!)

 

大きな会場の真ん中に黒いステージがあり、ステージに向かって列を作らされた。

お渡し会の前にメンバー全員からのご挨拶があるとのことで、そこのステージにメンバーが現れることを理解した。

ステージから遠かったらどうしようと気を揉んでいたものの、前から2列目というラッキーガールな私。

待ってめっちゃちかくない?????え???こんな目の前に推しくるん?????無理じゃない????

泡を吹きそうになりながらも、挨拶の瞬間をカメラで納めようと冷静にカメラの設定をオンにし待機。(ご挨拶の間は撮影許可されていた)

しばらくすると運営の「それでは、ドボイズの皆さんに登場していただきまーす」

という言葉と共に10人の男たちがぬるっとステージに現れた。音楽もなく、本当にぬるっと現れたので逆に衝撃だった。え????こんな普通な感じで出てきちゃうの?????私がなんか流そうか????????

 

メッチャカッコイイ無理死ぬ待って顔ちっちゃい背高い無理細いなんかよくわかんないけどメッチャカッコイイキレイ髪色可愛い笑ってる無理カッコイイ!!!!!!!!!!!!!!!!

声出しNGだったので、必死に声を抑えていたものの後から見返すと回していた動画に声にならない声で上記セリフが収録されていた(実話)。写っている彼らはあり得ないくらい綺麗なのに、それとは対照的に感情ダダ漏れの自分が美しくなさすぎて泣けてくる。

 

この2年間スマホを通してしか見たことのなかった彼らが目の前にいて、喋っている!!!!!!しかも実寸大で!!!!!!!…ものすごい衝撃だった。

挨拶はあっという間に終わってしまったが、もはやここで帰っても全然問題ない(問題あるよ)くらいお腹いっぱいだ。

全く会ったことない状態でお渡し会に行くより、こうやって遠巻きに全員を見た後に近づく方が気持ち的に全然無理だった。

今からあの人たちに近づくんだという実感が………本当に耐えきれなくて死ぬかと思いました(?)私どうなっちゃうの?????

 

最初に並んでいたオタクから順にブースに通されている。各所から悲鳴が聞こえる。今から出荷される家畜のような気持ち。今から私も悲鳴をあげることになるのだ。私の前に並んでいるオタクも、私の後ろにいる無数のオタクも、みんな等しくこれから推しに会って悲鳴をあげるのだ。こんな特殊すぎる状況があっていいのか??

 

いよいよ私がブースに通される番だ。まずブースの前で持っている荷物やスマホを運営スタッフに回収された。私がブースの中で死んでしまったら、この荷物をどうか私の家族へ届けてくださいとスタッフに申し伝えておくべきか迷ったが…やめた。

 

ブースに入ると、黒い長テーブルを挟んでメンバーたちとオタクが話しているのが見える。

メンバーのデカさを感じるためにヒールのない靴で来た私だったが、メンバーは座っているようで、早くもその作戦は失敗に終わった。

 

名刺お渡し会は、メンバー一人一人の前に立たされ、1分ほどしたら次のメンバーに移る、という進み方だった。

この世のものとは思えない整い方をした顔の小さな男たちを次々に目にして、頭がおかしくなる私。

言おうとしたことなんてこれっぽっちも思い出せない。でも何か言わないと間が持たない。焦る頭では即興で韓国語の質問など思いつくはずもなく、隣のオタクが言っていた、애교를 보여 주세요!!!!というセリフを真似させてもらった。エギョボヨジュセヨおばさんと化したのだ。隣のオタクはきっと色々考えて言っていたと思うが、わたしのエギョボヨジュセヨにはなんの意味も無い。ただの単語の羅列でしか無い。アイドルを前にしてこれほど情け無いことってあるだろうか…。

しかも自分の推しが何番目か分からず、ずっと気が気じゃない。一旦、次じゃないということがわかった時にだけ冷静になれたものの、推し以外のメンバーのことはほとんど記憶がない(失礼)。でもみんな一生懸命愛嬌を見せてくれたことだけは確かだ。しがないエギョボヨジュセヨおばさんにも、満点の愛嬌を振り撒いてくれた…。立派だ、アイドルは本当にすごい。ありがとう…ありがとう…

 

結局私の推しであるソヌは一番最後だった。推しの目の前に立たされた時、時が止まった(気がした)。まるで世界に推しと私しかいない、そんな感じだ。

さっきまでガヤガヤしていた会場も静まった(気がした)。それくらい衝撃を受けた。

私があなたのことをどれだけ好きか、どれだけ救われてきたことか…!!!!!ブイライブを見て、あなたの言葉を聞いて涙を流した日。あなたの自作曲を毎日流しながら準備していること。どれだけ仕事が大変でも、あなたに会うために頑張れたんです………走馬灯のように蘇る、推し(に関連するコンテンツ)と過ごした日々。

そんなコンテンツを生み出す張本人、推し(の実態)が目の前にいる。…歴史的大事件だ。

顔が小さすぎる。小さい顔に大きい目とふわふわの唇と綺麗な鼻筋が10000点満点の位置に収まっている。身長が179ある男の顔の小ささでは無い。足が長すぎて上半身が短いので逆に背が小さいのでは無いかと錯覚するが、この男はでかいんだ…でかいのに小さい、小さいのにでかい…もう既に脳の処理が追いついていない。いつも画面の向こうから私を魅了した瞳が私だけを捉えている。まっすぐこちらを見ている。非常にやばい状況だ。あれ?呼吸ってどうやってするんだっけ??、わたし、呼吸できてる?????死ぬのでは???

そんなやばい状況にも関わらず、既に終わった9人の時には欠いていた冷静さが急に戻ってきた。おかげで準備した質問を間違えることなく伝えることができた。ありがとう私。よくやった私。

推しは私の拙い韓国語を理解してくれ、よく聞いて私だけに回答をくれた。しかも完全に解釈一致だ。最高すぎる答えをくれた。衝撃的すぎて震えながらブースを出る私。最後の最後に推しの前で挙動不審になってしまった。

 

ブースを出たすぐのところに私の荷物を持ったスタッフが構えていた。足がおぼつかない。

ゾンビのようにフラフラになりながらその場を去った。全ての正気をあのブースに置いてきた私。

 

そのあとはすぐにオタクの友達に全てを共有し、電車に乗って帰った。おめでたいことなんて何も無いのに、フラペチーノの一番でかいサイズを買ってスキップをしながら帰った。

ありがとう推し。大好きな推し。私の大好きな推しの大好きな部分が実際に存在していることを知れて、本当に良かった。

 

また推しに会うために、一生懸命徳を積もうと思う。